木曜第二研究所

見える範囲を、ちまちま書いております。

報告書「せめて、いい夢をみてほしい」

今週のお題「眠れないときにすること」

眠れない時、母は瞼を閉じれば眠れるといっていた。
その教えを守ってはや十数年たったが、あまり役にたつことはない。

誰かといても、いつだって私が眠るのは最後だ。

友達とオールを試みれば友達は眠落ち、ベッド横の恋人はのんきに寝息をたてる。
一人だけ起きていることの、なんという物寂しさと恥ずかしさだろう。

みんなと同じ速度で過ごせず、一人舞台に残ってしまった物寂しさ。
私だけが楽しく、一人はしゃいでいるのだと言わんばかりの気恥しさよ。

誰かの寝息が響く空間は自分がひどく幼くなったようだ。
起きていてほしいけど、相手にされない。

懐かしいその感覚を他人の寝姿や呼吸音は呼び起こす。

大人の癖に!私をほったらかしおって。 
いや、この場合は周りが子供なのかもしれない。

この調子だと朝まで起きないだろう。
今日の出来事は眠った時点で思い出になってしまう。
私もみんなと思い出が作りたいのに、眠れないからまだ思い出にできない。
仕方ないからみんなの布団をかけ直して、ひとり鼻歌を口ずさむ。

あくまでこれは妥協策である。ほんとうはずっと夜を過ごしてくれる人と一緒にいたい。けど、たいていの人はそうじゃないから、我慢するほかない。

この白けた夜に踏ん切りをつける方法をまだ知らない。
いつか夜を過ごしてくれる人が現れるのを夢にみて、とりあえず天井をみつめてる。