木曜第二研究所

見える範囲を、ちまちま書いております。

報告書「ホットライン・ハテノ」

使えない盛りの新卒ちゃんなので、今日も今日とてミスをする。
ミスなんてしたくない、円滑に働きたいのに、エラーばかりを出すポンコツ

ミスはするのにやることがたくさんあって、必死で食らいつきながら毎日なんとか過ごしている。おかしいな。こんな風になりたいわけじゃないのに。

好きな業界で生きているのに、自分の意志で踏み込んだ場所なのに、どうして役に立てないのだろう。いろんな人を見て学んだり得てきた宝物を活かせずに迷惑ばかりかけている。

情けなさすぎて誰にも話せないというプライドの高さゆえに、自分で自分の首を絞め続ける。上司プライド高いとかいわれても、理想が高いというか、常に安心できるようになりたいだけなのに。うるさいな。迷惑をかけているのはわかっているよ。でも今この辛酸を、受け入れがたい苦みを飲み込もうとしているときに追い打ちをかけるんだ。


友達にも話せない。情けなさすぎてでもこの苦しみを吐き出したい。できるだけ自分を知らなくて、でも優しく受け入れてくれる人なんてこの世にはいないから。そうあることで人間を受け止めようとしてくれるホットラインに電話をかけることにした。
まさか自分が学校の掲示板に貼ってそうなところに電話をかけるなんて思わなくて、電話を掛ける指が偶然押してくれることを願った。電車の揺れで、うっかり通話ボタンを押してしまえばいい。

うっかりボタンを押してしまったので、胸がどくどくと波打つのを感じながら耳に当てる。その時、私は本当に救われたかった。自分の無能を慰めてほしかったし、自尊心を満たしてほしかった。誰かに自分の得てきた学びや育んできた心を認めてもらいたくてたまらなかった。

 

だけど、冷えこんだ秋の夜長はきっとみんな同じように心がしんどい。加えてしんどいなかに手を伸ばす人はとてもとても少ない。この日私は蜘蛛の糸をつかむことはできなかった。

悩める人全員に混雑していると伝える自動音声の声はどこまでも平等でありいっそ慈悲すら感じられた。あんなに緊張していたのに今では何も感じずダイアルをかける。

 

救われたいけど、きっと本当に救われたいひとが他にいるから。私のところには電話がかかってこないんだ。神様とかが私を本当につらい人認定してくれた時、ホットラインに繋がってくれるのだろう。

 

ああ。こんなことを書いていたら嫌がっていた明日が今日になってしまった。