報告書「春が近い」
近所で梅が咲いている。桜なのか?わからん。
いつものようにダウンジャケットをきたらもう暑くて、あ、春が近いなと思った。
最近意識してない嗅覚を尖らせるとほんのり花の匂いがして、3回深呼吸した。感覚が随分鈍っていた。風がないと生きていけないのに、なんたる体たらくだと内なる自分に怒られた。申し訳ない私。
春は何となく、1人で過ごしていることが多い。いやいつも1人なんだけど。とりわけ?なんかそんな感じ。
地元の春が好き、東京の春は地続きじゃなくてカレンダーが仕切ってる感じがして嫌だ。
花を見るために上を見ると、背景が絶対空になるので、花は下から見る派です。
これはちょうど一年前の文章。
だからどうと言う訳じゃないけど、去年の私はこの日に春を感じたらしい。今年の私が春を感じ始めたのはもっと前だから、今年は春が去年より早い。
この春から社会人になるらしい。大学は卒業できるし袴も選んだ。四年間それなりに学んだし、きちんと2万字の卒業論文も書き上げた。サークルにも意欲的に取り組んだし、人をすごく好きになった。友達と旅行や遊びにも出かけたし、はじめてバイトもした。学生でいることが終わってしまうんだなとぼんやり思う。花とかじゃなくて、そんなことを考えてばかりいる。
あの人もこんな気持ちだったのだろうな。向こうの卒業式のあと逢ったけど、今年の卒業式にあの人は来てくれないんだと思うと、寂しいものがある。来てくれたっていいのに。
去年桜か梅か迷った木はどうやら梅らしい。